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| ( Kamar Mandi) 「インドネシアのような熱帯の国に住んでいたら、寒いことなんてないでしょう?」
そんな私が、今まで風呂場に温水設備を持たずに過ごしていた。バリで暮らしていたときに、電気温水器をつけていた時期が少しあったのだけれど、壁に備え付けてあったのがある日突然落ちて大破した後は、やかんで沸かした湯に冷水を混ぜて使っていた。あるいは、夜のとばりが降りて冷えてくるその前に、なんとか冷水で水浴びをしていた。
しかしこれでも、時には温度を最大にすると「プツ・・・」と電気が切れるので、まだ温まってもいない濡れた身体にタオルを巻き、外にあるヒューズ箱へ行って飛んだヒューズを戻さなければならない。そしてこうしている間に風邪をひくという、なんとも間抜けな暮らしをしていたのだった。
がしかし、今回は勢いがついた。親しい友人が引越し、家の改造をしているのを見たらムズムズしてきた。さらに、この友人の弟はジョグジャの有名大学ガジャマダ大の建築学科出身。彼に私の風呂計画を話したら、 実はここ2年ほど、ずっとバスタブに憧れていたのだけれど、市販のバスタブでは大きすぎて今の借家の風呂場のスペースには収まらないという最大の問題があった。今回これがすっきり解決したのは、ジョグジャにある素焼き村のおけげだった。上述の、引っ越したばかりの友人が庭に置く植木鉢を探すのに付き合って、この村に行った時、私は巨大な植木鉢を発見した。そしてこれをバスタブにすることに決めたのだった。 普通に浴室関係の店でバスタブを買ったら150万ルピア(約2万円)はする。ところが、この巨大植木鉢はたったの15万(約2000円)。まさか鉢屋さんは、この中に私が裸で入るなんて、思ってもいないだろうけれど。 翌日から私はまずこの植木鉢を浴槽に変身させるべく、タイルを買ってきてハンマーで割り、この植木鉢の内側にセメントでモザイク状に貼り付けていった。素焼きの鉢なので、水を吸ってしまうからだ。セメントを厚めに使うことで、水漏れ防止と、鉢の強化にもなる。なんせ植物を植えるためのものに、この私が入るのだから、割れてもらっては困る。
こうして手作りの浴槽が完成。友人の弟も毎日大工を伴って来てくれ、約1ヶ月の工事を経てバスタブも温水シャワーもある風呂場が完成した。 今までは夜になって風呂に入るのが面倒で仕方なかった。寒い夜のために、とてつもなく大きな鍋も常備していて、普段はこれいっぱいに湯をわかし、それを風呂場の水溜めの水と割りながら「お湯浴び」していたのが、今ではホットシャワーに湯舟である。名前からしてカッコいい。念願だったので、ちゃんと浴槽の隣りには酒のボトルも設置。 日本で暮らしていると、逆に毎日をシャワーで済ませてしまうのかもしれないが、私にとって湯舟は本当に大切なものだ。今まででも、日本から友人が来て、ホテルに泊まっていると聞けば、お風呂セットを持って、湯舟を借りに行ったものだ。そのくらい「身体を丸ごとお湯の中につける」行為は私にとっては重要なことだった。今はそれが心おきなく自分の家でできる。たまらなく幸せなのである・・・。
この思い切りには、引っ越した友人の様子も大きかったけれど、それと同時に、こんな想いがあったのだ。昔TVのCMで、 「我々は一日の3分の1をベッドで過ごしている。だから寝具には気を使おう・・」
といった内容のもの。
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