ジョグジャカルタタイムズ

「インドネシアのオートバイ」
( Motor Indonesia)

  インドネシアでの生活ももう10年を過ぎた。たまにこちらに遊びに来る日本人(友人の紹介で案内を頼まれたり、自分の友人が遊びにきた時)と一緒にジョグジャやバリを歩いていると、 「何?! あれ?」 と驚かれたり、どういった用途で使う道具なのかたずねられたりする。 そんな時に、私は自分も昔はこれにビックリしたもんだよなぁ・・・と思い出し、完璧にインドネシア人化してしまっている自分にあらためて気づくのだ。
 屋台に入れば、こちらの友人と一緒に当たり前に手でご飯を食べ、人に会ったときには、握手の後でその右手を胸に当てるという、インドネシア式(イスラム式といったほうがいいかもしれない。バリ人はこのスタイルを取らない)の挨拶までも身についてしまっている。

 そんな私が今になるまで何度見ても 「スゴイよなぁ・・・」 と思ってしまうもの、それはここでのオートバイの活用法だ。 私は日本にいるときバイクを利用したのは学生時代の1年間ほどだけで、それ以降は自動車を利用していたので、日本のバイク事情に詳しいわけではないが、今思い出しても、日本(私の場合、正確には名古屋周辺)ではバイクの量はそんなに多くなかったし、50ccの原付バイクもそんなにたくさん見かけなかったように記憶している。小さなバイクといったら、おそば屋さんの出前というイメージがあるくらいだ。

 インドネシアでポピュラーなバイクといえばHONDAとYAMAHA。HONDAには70ccのミニバイクがあり、ここでは「HONDAのBEBEK(ベベッ/アヒルの意)」という愛称で知られる。私も最初ジョグジャの芸大に在籍したときは、まだバリで愛用していたバイクをこちらに持ってくる決心もなく、留学中の一年乗ったらまた売ればいいと、HONDAのベベッを中古で買って乗っていた。今でも60年や70年代製のベベッが健在、この見るからに小さなバイクに、平気で2人あるいは3人乗りしているので、見ていてバイクがかわいそうになる。イドネシアの交通規制はいったいどうなっているのか、未だに私はこの70ccバイクの2人乗りが合法なのかどうかを知らない。
 この小さなバイク以外に、HONDAとYAMAHAが出している100ccのものがもっともポピュラーだ。これになればまぁ普通サイズといった感。インドネシアでは日本の青年が好きな200ccだのそれ以上のバイクというのはあまり見かけない。

インドネシアのバイク 私の持っているHONDAアストリアの使用説明書より。 インドネシアではほとんどのバイクが黒色をベースにしている。

 70ccのバイクでの2人乗りが合法かいなかを語る前に、もっとスゴイものがインドネシアにはある。売っている店があるということは、おそらく合法なのだろう。
 何を売っているかというと、この一般サイズ100ccのバイクの後部に取り付ける荷台。
100ccバイクのシートは2人が乗るに十分な長さがあるのだが、その後部を台にして、左右に大きな箱がついたものだ。横に堂々と伸びて小型の自動車ほどの幅になるこの荷台、台というよりは、荷カゴと言った方がふさわしく、ほとんどは竹製。時に日本の新聞配達が使うような、厚いキャンバス地製のものもある。  この荷台には、用途に応じて生きた鶏、食料、イスラムの祝日が近づけば潤んだ瞳の子羊までもが乗せられていることがある。また、ときにはそのカゴの中から、すでにしめられて羽根をむしられた、後は調理されるだけ状態の鶏が頭を下にして突っ込まれ、何本もの黄色い足だけが生々しく出ていたりすると、さすがにインドネシア化した私でも、 「なんともいえない光景だなぁ・・・」 とついつい感動を覚える。  一つの道路に、自転車にのったおばちゃんやおじいちゃん、三輪の乗合自転車べチャ、馬車、鶏やら羊やらを左右に積んだオートバイ、自動車、運転マナーの悪いこと極まりない乗合バス・・・ ジョグジャカルタの道路はとかくにぎやかだ。

インドネシアの強引な物売り
強引な乗り物使用方法はバイクに限らない。
自転車でも積めるものはとことん積む。写真は子供のオモチャを売る自転車。
インドネシアの旗、昔日本でも遊んだチューブの風船、駄菓子などを乗せ、今日も走る。

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