
「プマンク(祭司)選び」
( Pemilihan Pemanaku )
バリのお寺には、必ずそのお寺を守る専任の祭司プマンクがいます。彼らは5号に書いたバリのウク暦、サカ暦に精通していて、バリ人の結婚の日取を暦に従って決めて、儀式をとりしきります。
今年に入り、このプリアタン村にある1つの寺の専任プマンクが高齢で亡くなりました。村人に集合を呼びかける鐘が鳴ったので、「今日のこのリズムは何の合図ですか?」と村の年寄りに聞くと、次期プマンクを選ぶためのミーティングだそうです。
私はこの島のヒンドゥー教がどうやってプマンクを探すのか気になり、その年寄り(彼は今、約75才で11人の子持ち、今なお闘鶏の大好きなおじいさんです)に方法をたずねました。次期祭司選出に当たり2つの方法があるそうです。
その1は、よくある話し合い。でも多数決をとったりせず話し合って1つの答えを出すそうです。今回私の聞いた呼び出しの鐘でこの話し合いが行われたのです。結果、亡くなったプマンクの甥になる人が選ばれました。しかしこの1の方法は人間により決められたものなので、断ることが可能です。そしてこの甥は今の仕事を辞められないといって断ったそうです。
するとその2、他の寺からプマンクを呼び、寺で儀式を行います。そのプマンクはトランス状態に入り、神の代理で次期プマンクになるべき人を指名するそうです。
こうなるとこれはすでに神様からの命令となり、選ばれた人は断る勇気などないそうです。よくよく聞いてみると、この方法で選ばれている現役プマンクがこのあたりにもすでに数人いて、指名される前の仕事も公務員、木彫り屋さんなど、普通の生活をしていた人です。年齢もまちまちで、20才前の人もいれば50才過ぎて妻子もあって転職というプマンクもいます。
で、こういう人たちは指名されてから、初めてプマンクなら知らねばならない宗教的知識を学ぶのですが、年寄りが言うには、「もともと神様に選ばれてるって事は素質があるから大丈夫」とのことです。
以前、観光客相手に大きく商売をしていたおじさんが2の方法で指名され、泣く泣く商売を弟に譲り、自分は祭司になったというのを聞き、この島でのバリ・ヒンドゥー教の信仰の浸透ぶりにあらためて驚かされました。

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