「バリの妖術師-2」

( Liak-2 )

4号でお話ししたバリの妖術師リヤッに関する隣の村でおきた話を、仲よくしているおじいちゃんから聞きました。

バリの悪霊レアッ

50年代後半の事らしいです。KUTUH(クトゥ)村に有名な泥棒がいました。常習犯で村人も毎回、あ、またか…と思っていました。彼は夜になると犬が呻るような声を出したそうです。あまりに回数が多いために村人は腹を立て、捕らえて殺すことを計画、家まで行くと妻子を残し、田んぼへ出かけていました。村人は田んぼまで追いかけ、ありとあらゆる物で彼を殴ったのですが、彼は何ともない顔をしていました。ついにはこの騒動を聞きつけた警察に彼は捕らえられ、刑務所へ入る事になりました。

ところが殴られても平気だった彼を実際に見た村人は、完全に殺さなければリヤッを退治できないので、刑務所に入れられただけでは納得しません。全員で刑務所に乱入し彼を見つけ、彼の持つ妖術に対抗ができると思われるもので再び殴りました。するとそのうちの一つ、パパイヤで殴られた彼が初めて苦痛を訴えたのです。これのわかった村人はパパイヤを集め、彼が死ぬまで投げつけたそうです。

この後がおもしろかったのですが、警察はこの乱入殺人騒動を見逃すわけにはいかず、犯人探しをしようとしたのですが、何せ犯人は一つの村単位。刑務所は小さすぎて村人全員を収容するのは不可能です。結局罰として、村人全員で荒れ地を整備するという労働を課すことにしました。村の町内ごとに日を決めて数日間交代して整備し、ついに広場は完成しました。この広場は私が木彫の研修をしているすぐ近くにあるのですが、今は夕方になると若者がサッカーをして楽しんでいます。

また別の人から聞いたところでは、彼ら妖術師は火の玉に化身しケンカをするのが好きだそうです。これを話してくれた人はバリの北西にあるTABANA(タバナン)県に以前住んでいて、住まいの近くがよくそのケンカの場所になっていたそうです。

そんな日は村中ですでに噂が広がり、「今日の夜はあの四辻を通らない方がいいよ。」と注意されるのだそうです。リヤッたちは火の玉の状態でパチパチ火花を散らしてぶつかり合い、負けて地面に落ちた方は悔しまぎれに人間にやつ当たりしおどかしたりするとバリの人々は言います。

ちなみにバリ島内でリヤッの多さで1番有名なのは観光客用のビーチになっているSANUR(サヌール)。今でも現役のリヤッがたくさんいるそうで、習いたい人は必ずサヌールへ行くそうです。

バリの魔除け

バリの魔除け

<リヤッ除けのお守りに描かれていた図柄>


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