「バリの妖術師」

( Liak )

バリの悪霊ランダ

バリ人の多くが信じている魔術妖術師をLIAK(リヤッ)と言います。夜になると男性でもこの「リヤッ」という言葉を口にしたがりません。 バリ人が言うには、この妖術師は何にでも化ける事ができ、近頃は近代的なもの(飛行機やオートバイ、冷蔵庫など)に化けるのが好きだそうです。
村の中では「あの人は妖術が使える」と噂される人もいるのですが、大きな声で言って当人に怒られ、自分が妖術をかけられては困るのであまり話しません。

リヤッは事故で流れた血、生まれたばかりの赤ちゃんが好きだそうで、もし道で事故があり流血した時は、当事者の家族が一晩その場所にとどまり、リヤッに血をとられないよう浄化の儀式をします。生まれた赤ちゃんも両親のもとでリヤッに狙われないようあらゆる儀式が行われます。

リヤッに関する話で私が聞いたものの中から一番新しい話を一つ。
1993年に私の住むプリアタンの北、PETULU(プトゥル)村で実際にあった話。この村は以前からリヤッが多いことで有名だったそうです。ある日、この村の1件で子供が原因不明の急死をしました。親はリヤッのしわざだと思いこんだので、近くに住んでいる老女が自分の子供に妖術をかけかたと決めつけたそうです。この老女はこの村ではみんなからリヤッだと思われていた老女でした。(勿論自らリヤッだと名のる人はいないので本当のことはわかりません。)怒った子供の家族から、二人が老女の家を襲い、老女は殺されました。今もその二人は刑務所にいるそうです。

リヤッのことは私も興味があるのですが、多くのバリ人は怖がってあまり詳しい事を教えてくれません。これからも少しずつ実際あった話を聞いていこうと思っています。

リヤッを防ぐ儀式(上記の事故の場合)の方法はこうです。流れた血の上に米の皮を置き燃やします。そして火が消えないよう道の脇で当事者の家族がずっと見守ります。もし、事故当事者が入院でもすることになると、意識が戻るまでずっとこの火を燃やし続けねばなりません。たとえその行為が道路のまん中で行われ、交通渋滞をおこそうと、バリの人はみんな当たり前のこととして通り過ぎていきます。


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