「恋愛のこと」

( Pacar Pacaran )

「Pacar(パチャール)」はインドネシア語で「恋人」のこと。2度続けて、「an」をたすと「つき合っている状態」の意味になります。

バリでも若者は日本の若者同様、自分に似合ったパチャール探しの話題がよく出ます。つき合い始めると、日本と違うなあと思うのは、男の子が頻繁に女の子の家へ通い、女の子のお母さんが、我が子のボーイフレンドに対して何の遠慮もなく自分の子供のように叱ったり世話したりすることです。勿論全部が全部じゃないにしろ、こういうパターンはとても多いです。

さて、今回バリにやってくるずっと前からこの村で親しくしているおばちゃんとその娘がいます。娘の名はBALIK(バリッ)、20才前後です。(前にも書いたように、このくらいの年の子の場合、親がよほど西暦に興味がない限り実際の年齢はわかりません)

ブラジャー姿のオバちゃん(おばちゃんは人前でブラジャー姿も平気)

おばちゃんがよろず屋をしているので、石ケン、果物、線香など買いによく寄るのですが、ある日こんな相談をもちかけられました。

「ミドリ、KADEK(カデ)のことどう思う?」

このKADEKというのは私と一緒に木彫を習っている隣の町内の男の子で、このおばさんの親戚にあたる、これまた20才前後の子です。

「最近、BALIKめあてに店に来る男衆多いけど、あたしゃ気に入らん。KADEKがBALIKのこと気に入ってるなら家も近いし、いいのになあ。ミドリさあ、あたしが聞いたとは言わずに何となしに、KADEKにBALIKの事どう思ってるか探ってみちゃくれんかねえ?」

おばちゃんにこう言われ、この手のおせっかいが嫌いじゃない私はKADEKに近づき、女の子の話などいろいろした上でKADEKもまんざらでないと確信し、BALIKとも何気なくKADEKの事を話し、2人を隣村の市場までデートに行くまでに話を進めたのでした。

それが5月頃のこと。今ではこの男の子KADEKは殆ど毎晩BALIKの家へ遊びに行き、おばさんも大喜びです。

とこが次の相談は、

「ねえミドリ、KADEKがBALIKとつき合っている事、向こうのお母さんは知ってるんかねえ?何も言わずに毎晩うちに来てるのはあたしゃイヤだよ。」

20才前後でつき合い出してもすぐ結婚まで頭で進めるのが、大半のバリの大人たちです。結局この2人は、お互いの両親も知っていて認めていて、まだ結婚は考えずに仲良くパチャール・パチャランしてます。

ちなみにこういうお泊まりありの交際が大半なために、結婚するきっかけが“妊娠”というのも非常に多いケースです。先日私の仲良くしている絵描きが急に結婚式を挙げたので、ビックリしてあわててお祝いに行って話したところ、

「いや、実はこれ緊急結婚ってやつでねネ。ボクもビックリしてるところよ。」との事でした。

このパターンの時、日本人の感覚だと両親が恥ずかしがる、あるいは本人も言い辛いというのがありますが、ここでは“子を授かる”喜びが親には一番大きい事のようで、あまり順番を気にしていません。


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